ムエタイの歴史

ムエタイは、戦争がまだ弓矢や剣・鉾で戦われていた当時に生まれた、非常に洗練された格闘技です。

ムエタイの歴史は、1767年伝説の英雄ナヒ・カノム・トムがその名を馳せた時代に遡ります。彼はビルマで捕虜となっていた間、10名のビルマ人トップ戦士と戦うよう命令されました。ナヒ・カノム・トムは彼ら全員を破り、その勇敢さと技術をビルマ王によって賞賛されました。彼の偉大なる功績は学校教科書にも記録され、今日タイ全土で広く知れ渡っています。

ムエタイが革の手袋をはめ、ラウンド制やクラス別に試合が行われるようになったのは1930年のことです。1964年、日本ではムエタイにアレンジを加えたものをキックボクシングと名付けました。今日タイ軍隊やアメリカのCIA等では、ムエタイの技術を効果的な訓練として取り入れています。

タイではムエタイは、一流の国技と考えられています。タイの少年達はあらゆる場面で、無意識にまたは意識的にタイ方式の戦い方を学んでいます。タイでは少女達でさえムエタイの基礎を十分学んでおり、必要な時には自衛の為にそれを使う事が出来ます。

ムエタイは、タイの人々にとって仏教の発祥地であると言う事に加え、誇りと文化の象徴であり、とても崇高で芸術的な戦い方です。 そして、ムエタイはタイの人々が決して入植を許さなかった戦場で成長し、数千年にも渡って受け継がれた武器を持たない戦い方の伝統的なスタイルです。それは恐らく全ての格闘技の中で最も進歩的で激しいが、同時に多くの名誉を持ち、仏教の教えと非常に密接に結びついています。

ビルマ軍がアユタヤ王国を攻撃し陥落させた為、殆どの記録は残っていません。そして歴史の多くは、外国から入ってきた資料等と共に、語り継がれています。